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朝日新聞社
グループ:Book
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1人で先に旅立ってしまった『時代の観察者』
(2008-12-19)
『旅の途中』のタイトルでありながら、先頃旅立ってしまった著者。今となってはジャーナリスト(御本人は謙遜して御自身のことを“野次馬”と称されていたが)としてよりも同時代を生きてきた人々との対話録との想いがする。その出会った人々はクラシック音楽から政治家までと万華鏡の世界のように変化する。個人的にも筆者とはあらぬ場所でお姿を見かけたこともしばしばあった(東京ドームでのサイモン&ガーファンクルのコンサート、京都東福寺の通天橋などで)。そうした『引き出し』の数の多さが著者の文章をより豊かなモノに仕上げている。と同時に著者が同時代に生きてきた相手と自らの足跡を重ね合わせてもいる。例えば“美空ひばり”に関して最後の取材を行った時の“女王”の顔から険が消えていたことで、著者は彼女が全てから解放され“自らのために”生きることを選び、その時間も余り長くはないことを瞬間的に察知したこと、と同時にそのことから自身が活字メディアを離れる時期にいることを知る。“対話することは同時に自らの存在、自らの今を確かめる一里塚”との想いが強く伝わってくる。“時代を観る眼差し”と“相手の言葉の柔らかな受け止め方”、この2つのスタンスが多くの人との出会いを可能にした“財産”であり、両者を大事にすることが大切だヨ、との無言のメッセージはもしかしたら著者の遺言なのかもしれない。本当はまだまだある『続編』を読むことはできないことが本当に残念としか言いようがない。
そんなに人に会って、どうするの?
(2006-01-30)
そろそろ回想録を……、と提案されて、著者は考えました。
ジャーナリストとして歩んできた自分は、何かを成し遂げてきたわけではない。むしろ、いろいろな形で「弥次馬」として関わってきた他人様を書くことで、かえって自分を表現できるのではないか、と。
といっても、交友関係は広く、語るべき取材対象も多岐にわたっている著者ですから、取りあげたい人を全て書いていたら、いったいいつ終わるのかわからなくなります。本書執筆に当たって決めた方針は、「一業種一人」という制限です。
ですから、「ニュース23」のエンディングテーマを作曲して歌ってくれた井上陽水も、朝日新聞社内で認め合った“畏友”石川真澄も、他の人物のエピソードの一部に登場するだけです。筑紫ファンには若干もの足りない気もしますが、確かにこの一冊を読めば、著者の歩んできたジャーナリスト人生、反体制的な生き方が俯瞰できます。著者の意図通りといってよいでしょう。
私があらためて感じたのは、筑紫氏の文章の魅力の一つは詩的表現にある、ということでした。
なかでも、絶筆『我、拗ね者として生涯を閉ず』の完成を目前にし、壮絶な最後を遂げた本田靖春氏を追悼した文章は、読者の心に染みる、魅力に満ちた文章でした。
笑っちゃったのが、忙しすぎる小澤征爾を心配して、本人に言っても通じないからと家族に言ったら、娘の征良さんに笑われたそうです。
「その通りだけど、あなたが言うのはどうかと思う」と。
もっと笑っちゃうのが、しばらくしてから、同じ征良さんから言われた言葉。
「だれの言うことも聞かない。
言ってもらえるのはあなたぐらいしかないかも」
それにしても、仕事とはいえ膨大な取材相手と接触して、よく人間嫌いにならないものです。
同じ感想を抱いた視聴者からの言葉、
「人あたりしませんか?」
に同感しました。
旅の途中
(2006-01-14)
ジャーナリストとしてニュースキャスターとして活躍する彼が、
出合った人について書く。
意外な人との出会い、
そしてその人との意外なエピソード。
結構おもろいぞ。
いつかこんな本を書きたいな。
自分が巡りあった心に残る人について。
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